子どもに語りつぎたい日本の歳時記

3月 草もち

草色の正体はこれです!

いつもは気にせずに通り過ぎてしまうような河原の土手や道端にも、よく見ると草木の変化に春の訪れを感じます。そこで「よもぎ」を見つけました。よもぎはキク科の多年草で、土手などでは今でも見かける(?)野草ではないでしょうか。

これを使って作るのが「草もち」です。子どもの頃、祖母と一緒に摘みに行った記憶があります(その頃はよもぎではなくてモチグサと言っていたような気がします)。3月頃になると、よもぎの若芽が枯草の中から顔を出してくるので、その自然の香りと色を混ぜ込んで、もちを作ったのでしょう。桃の節供の菱餅の緑色は、よもぎで色をつけているそうです。雛まつりや春の彼岸のころに作ることが多い春の和菓子です。

草もち

●草もちの作り方

材料(15個分)

よもぎの若芽…200g 
重曹…大さじ1/2
上新粉…300g 
お湯…500cc
餅とり粉…適量
きな粉・砂糖・塩・あん…各適量

作り方
  1. 鍋にたっぷりの湯を沸かし、重曹を入れて溶かす。よもぎも入れて柔らかくなるまで茹でる。
    水にさらし、水気を絞ってすり鉢でするか、包丁で細かく刻む。
  2. 上新粉に分量のお湯を少しずつ入れて混ぜ、耳たぶぐらいのかたさになるまで、よくこねる。
  3. 蒸気のあがった蒸し器に、かたく絞ったぬれ布巾を敷き、2をひとにぎりくらいの大きさにちぎって
    並べ、強火で10分くらい蒸す。割ってみて芯に白い部分がなければ蒸し上がり。
  4. 3をすり鉢またはボウルに入れ、1のよもぎを加える。すり棒でよくつき、
    よもぎがよく混ざったら、さらに手でこねる。
  5. なめらかになったら、餅とり粉を振ったまな板に移し、手にも餅とり粉を少しつけて、
    15個に分けて丸める。
  6. きな粉、砂糖、塩を混ぜ合わせたものやあんこをつけて食べる。

★3月の初旬ではよもぎの若芽がまだ出ないこともあるので、よもぎの成長具合を観察して、なるベく若芽の香りのいい時期に摘んで作ってみてはいかがでしょう。

柳沢美智子